目と目を合わせて
ロボット
 
※この作品にはオリジナルキャラクターが登場しますのでご注意ください。
 
オリジナルキャラクター紹介。
三井隼人
新一の中学時代の知り合い。
とある事件を切っ掛けにコナン(新一)と再会を果たし、以後組織壊滅に協力。
頭脳、運動神経共にズバ抜けた能力を誇るが、性格が気まぐれで天邪鬼の為、行動が読めない。
ちなみに猫目で猫舌の為、哀(志保)からはバカ猫と呼ばれる事が有る。
 
設定は組織壊滅後です。
新一、志保は元の姿に戻り、隼人も含めて帝丹高校に通ってます。
 
 
 
 
此処は阿笠邸。
現在リビングに居るのは博士と隼人の二人だけだ。志保は蘭達と一緒にショッピングに行っている。
「博士、前々から気になってたんだが、志保の奴ビッグ大阪に応援してる選手でも居るのか?」
ソファーで寛いでいる隼人は手に持ったビッグ大阪公式キャップを眺めながら疑問を口にした。
この帽子が有ると言う事はビッグ大阪を応援している事は間違いないだろう。しかもコレは志保が実費で買ったらしい。
「ん?何じゃ隼人君知らんかったのか?志保君は比護選手のファンなんじゃよ」
隼人の問いに対して博士は意外だと驚いてから、淡々と当たり前の事を言う様に答えた。
「…あの野郎、俺にはそんな事一度も言ってねえぞ」
博士の答え方からして志保を知っている人ならば、知ってて当然の情報の様だ。それを自分だけ知らなかったのが酷く情けなく感じてしまう。
「もしかしたら恥ずかしいのかもしれんのう。隼人君に言うのは特に」
笑いながら気にする事は無いと言う博士だったが、この時隼人は一つの計画を思いつき、密かに実行へと移すのであった。
 
 
 
 
時は一週間ほど経ち、日曜日のある日。この日も隼人は阿笠邸にやって来ていた。
「ん?そろそろ時間か。おい志保、出掛けるぞ?さっさと準備しろ」
博士、志保、隼人の三人でノンビリ過ごしていたが、時計を見るなり突然隼人が外出を告げる。
「は?イキナリ何言ってるのよ?」
対する志保は準備するどころか怪訝な表情を浮かべて隼人を見やった。
今日外出する事など何も聞かされていないのだから、こんな反応をしてしまっても不思議じゃないだろう。
「良いから早くしろ。間に合わなくなっちまう」
「…あのねえ、行き先も教えられないまま準備すると思ってるの?何処に行こうって言うのよ?」
急かすだけで場所を言おうとしない隼人にムッとした志保はジト目を向けて正論をぶつけた。
準備するにしても出掛ける場所によって相応の服装を選ばなければならない。
「チッ、隠しておきたかったんだが仕方ねえ。これからビッグの比護に会いに大阪へ行く。解ったらさっさと準備しろ」
正論をぶつけられた事で隼人は渋々行き先を明かした。
そう、これこそ以前密かに思いついた計画だ。サプライズでやりたかったのだが、流石に大阪というのに無理が有ったらしい。
ちなみに博士は事前に話を聞いていたので、驚く事も無く微笑ましく思いながら眺めている。
「…………は?」
一方志保は、隼人のセリフを聞いて行き先が判明したのだが、呆然としてしまって動こうとしない。何を言っているのか解らないと言う感じだ。
そこへ新たな人物が現れる。
「二人とも準備できたか?早くしねーと新幹線に間に合わねーぞ」
現われた人物は隣に住んでいる工藤新一だった。
新一も大阪に行くメンバーの一人なのだ。
「それがこのザマで全く出来てねえんだ」
呆然としたままの志保を顎で指し示して隼人は溜息を吐いた。
「え?工藤君も行くの?」
キョトンとした表情で新一を見つめながら志保は疑問を口にする。
行き場所だけでも訳が解らないのに新一の登場で余計に混乱が増してしまっている様だ。
「当然だろ?ほら、早く支度して来いよ。オメーが一番行きてーだろ?」
「わ、解ったわよ。ちょっと待ってなさい」
新一に促された事で志保は漸く混乱から解放された。それと同時に頭も働き始め、隼人の突拍子も無い性格と新一のサッカー好きな事を考慮すると、この話が嘘ではなく真実なのだと確信する。
比護に会いたいという願いが隼人にバレてしまったのは少々恥ずかしいが、折角のチャンスを無駄にしない為にも支度を急ぐ志保であった。
 
 
 
 
新幹線、在来線、そしてバスを乗り継ぎ遂に志保達はビッグ大阪の練習場へと到着した。
既に選手達は練習を開始しており、柵の周りにはギャラリーが集まって応援や歓声を送っている。
「さて比護は何処だ?」
早速志保達も柵の前まで近づき、練習している選手の中から目当ての比護を探し始めた。
「居た。あの右から三番目のがそうじゃねーか?」
探して暫くすると新一が一人の選手を指し示す。
トレードマークの茶髪に顎鬚。間違いなく比護隆佑その人だ。
「そうだな、隣に真田が居やがる。おい志保解るか?」
新一の示した方向を見た隼人もそれが比護だと認めると、志保にも教えてあげようとしたのだが。
「…………」
肝心の志保は黙ったままで何の反応も示さない。
「志保?」
「どうしたんだ宮野?」
不思議に思った隼人と新一は揃って志保の顔を覗き込んだ。
もう少し喜ぶなり、人の多さに呆れるなり何かしらの反応を示しても良い筈なのだが、それが全く無いのは不思議この上ない。
「べ、別に何とも無いわよ。気にしないで」
二人に覗き込まれた事でハッと我に返った志保は、頬を少し赤く染めながらも何でも無い風を装った。まさか比護の姿を目で追うのに夢中になっていた等とは口が裂けても言えない。
「そうか?」
「なら良いけどよ」
志保の返答に隼人も新一も首を傾げはしたが取りあえず納得を示した。鈍感な二人では志保の本心に気付く事は出来なかった様だ。
尤も、事件の推理を行っている時の様な真剣な状態ならば話は別だったかもしれないが。
取りあえず今は上手く誤魔化せた事に志保はホッと胸を撫で下ろすのであった。
 
 
練習を見始めてから二十分ほど経った頃、それは突然起きた。
「君は、もしかして工藤新一君か?」
「え?」
練習中の選手が新一に声を掛けたのだ。それも声を掛けて来たのは比護隆佑。
どうやら柵の向こうに新一が居るのに気付いて本人かどうか確認を取りたかったらしい。
対する新一は虚を突かれて動きが止まってしまう。
更には周囲の人達が、比護に加えてあの名探偵が目の前に居るという事でガヤガヤとざわつきだした。
「やっぱりそうだ。君が中学三年の時に声を掛けたのを覚えているか?」
近くから見た事で比護は新一が本人だと確信した様だ。予想が当たって少しホッとしている様にも見える。
比護が言っている中学三年の時とは、夏のサッカー都大会決勝の事だろう。この時比護は新一をプロにスカウトしている。
「あ、はい。あの時はすみませんでした」
すぐに当時を思い出した新一は、比護に頭を下げて非礼を詫びた。
あの時新一は明確に断る訳でもなく、適当に濁して去ってしまった。声を掛けて来た相手に対する態度としては余り褒められた物ではないだろう。
しかし比護は怒ってなどいなかった。
「いや、気にしないでくれ。でもまさか、こんな有名な名探偵になるとは思いもしなかったよ。今日は友達と見学に?」
サッカーの才能を見出してスカウトしたのだが、別の道を進んでも頭角を現している新一に比護は舌を巻いていた。
超一流の能力を二つ、いやもしかしたらそれ以上持っているのだから全くもって末恐ろしい男だ。
比護は新一に畏怖しながらも近くに同年代の男女が居る事に気付き、一緒に来た人達かと思って尋ねた。
「はい。同じ高校の同級生です」
新一は笑顔で問いに答え、まず隼人を紹介しようとして比護の視線を促した。
しかし新一の紹介を待つまでも無く隼人が口を開く。
「初めまして、三井隼人だ。敬語が苦手でな、気分を悪くさせたらすまねえ」
自らの態度が失礼にあたると理解しつつも、下手に敬語を使おうとすると日本語でなくなってしまうので、こればかりは比護に慣れて貰うしかなかった。
「それぐらいで怒ったりはしないさ。君もサッカーをやってるのか?」
隼人の心配は杞憂に終わったらしく、比護は怒るどころかにこやかに問い掛けて来た。
やはりサッカーを本職にしているだけあって、相手がプレイしているのかどうかは気になるらしい。
「見るのもやるのも好きだが、何かに所属するってのが嫌いなんだ。だから遊ぶぐらいしかやってねえな」
比護の問いに隼人は肩を竦めながら答えた。自由を求める性分なので、クラブやチームに縛られるのがどうしてもダメなのだ。
そこへ新一が横から口を挟む。
「コイツ、見た目通り猫みたいなんですよ」
ニヤついた笑みを浮かべながら隼人のセリフを要約した。
つまり、何かに所属するのが嫌、イコール自由気まま、転じて猫という訳だ。
見た目の件は言うまでも無く猫目の事だろう。
「…おい、何だその纏め方は?」
新一のセリフが聞き捨てならなかった隼人は、思いっきり不満を乗せてジト目で睨みつけた。
対する新一はニヤリと不敵な笑みを浮かべながら挑発を続けている。
そんな二人の遣り取りに比護はキョトンと戸惑ってしまうが、次第に可笑しく思えて笑ってしまう。
そしてひとしきり笑った所で、新一に紹介を続けて貰おうと思い、チラッと志保を見て先を促した。
「それで、隣にいる彼女は?彼女も同級生なんだろ?」
「あ、はい。おい宮野、自己紹介ぐらいしろよ?」
比護に促された新一は志保を肘で軽く突いて合図を送るが。
「…………」
志保はポーッとしたまま比護を見つめるだけだ。
「すまねえ、どうやら緊張しちまってる様だ。コイツ、アンタの大ファンでな。此処に来る途中もずっとソワソワしてたんだぜ?」
「ちょっ、三井君!」
何も喋らない志保に代わって隼人が説明を始めると、たちまち志保は赤くなって止めようとする。
「へえ?…ん?君、何処かで…」
隼人の説明を受けて今一度志保を見た比護は、初対面の筈なのだが既に会っている様な感覚に襲われる。
「先輩、何サボってはるんですか?」
「貴大か」
新たに現われた人物、スーパーサブの真田貴大は不思議そうな表情で比護を覗き込んだ。
だが比護は真田に構ってる暇など無いと言わんばかりに淡々と受け流してしまう。
「おー、何やナンパですか?練習中だっていうに先輩も大胆すね?」
受け流された事も気にせずに、真田は比護の視線の先の女性を見るなりニヤついた笑みを浮かべる。
「バカ言え。それより、お前も彼女に見覚えないか?どっかで会った気がするんだ…」
冷やかしを一蹴し、比護は自分の疑問を真田にも投げかけた。何かと一緒に居る事が多いので、もしかしたら解るかもしれないと思ったのだ。
「何を言って…。…妙すね、俺もそんな気になって来ましたわ」
変な事を聞くと思った真田であったが、今一度志保を見るや比護と同じ様に既に会っている様な感覚を味わった。
「だろ?何処だったかな?」
必死に記憶を遡って答えを出そうとする比護であったが、新一達からするとハラハラ物だ。
「うーん…。あ!あの子とちゃいます?こどもサッカー教室に来とった、妙に上手い眼鏡のガキと一緒におった…」
「そうだ、あの子だ。君、妹さんが居るんじゃないか?」
そして遂に恐れていた事が現実となってしまった。
真田の鋭い勘によって真実へと辿り着かれてしまったのだ。
「え、ええ…。小さい子なら親戚に居るわ…」
まさか『あの子は私自身です』などとは言える訳も無く、志保は引きつった笑みを浮かべながらも話を合わせた。
ただ、これ以上深く、例えば『あの眼鏡の子供は』なんて聞かれたら誤魔化しきれるか解らない。
それは新一も隼人も同じだ。
しかし思わぬ所から救いの手が差し伸べられる。
「おい比護!真田!ファンサービスも良いが練習に参加しろ!」
「あ、はい!すいません!それじゃ、また後で」
ビッグの先輩選手から注意された事で比護も真田も大慌てで練習へと戻って行った。
戻って行く途中真田は比護の所為で巻き添えを喰ったなどと愚痴を零していたが。
新一達も取りあえずこの場を切り抜ける事が出来たので、ホッと胸を撫で下ろすのであった。
 
 
 
 
選手達の練習が終わり、サインや握手などのファンサービスを行う時間になると、それぞれの選手達の前に長蛇の列が出来上がる。
当然新一達も比護の列に並び、今か今かと順番を待っているのだが、若干一名そうでもない人物が居た。
「気が変わった。俺は散歩に行ってくるから、俺の分のサインまで貰っておいてくれ」
「は?」
並んでいる事に飽きたのか、それとも他に興味を惹かれる物が有ったのか解らないが、とにかく隼人は列から外れてしまった。
「じゃあな、頼んだぜ?」
「ちょ、ちょっと!」
そして志保の制止も聞かぬまま色紙を押し付けるなり去って行ってしまう。
「アイツ、本当に気まぐれだな…」
「全くだわ」
去りゆく隼人の背中を揃ってジト目で見つめながら、二人は呆れの溜息を吐いてしまうのであった。
 
隼人が去って少し経った頃。新一と志保は他愛の無い世間話をしながら時間を潰していた。
「それで、これが済んだら西の探偵さんの所にでも行くのかしら?大阪まで来て顔を出さなかったら、後で煩いと思うわよ?」
志保は今後の予定について確認を取った。
あの平次の事だ、今大阪に来ている等と言えば喜んで迎えに来るだろう。
「ああ、ちょっと事件関係の事でも話が…。あ!いっけねー、そういや服部に用意しておいて貰わなきゃなんねー物が有ったんだった。悪い宮野、俺も抜けるからサイン貰っといてくれ」
「え、ちょっと工藤君!?」
平次の話題になった途端、新一は忘れていた事を思い出して慌てて連絡を取ろうとした。
連絡を取り合っている間に順番が回って来てしまっても不味い上、あまり不特定多数の人に聞かれて良い内容では無いので、色紙を渡すなり新一は列を離れて人気の無い方へと歩き出す。
「比護さんに頭でも撫でて貰えよ」
「バ、バカじゃないの!?」
去り際に冗談半分で言った新一のセリフに志保は頬を染めて反発した。
しかし、少しだけやって貰いたい気持ちが有る事も否定しきれない志保であった。
 
隼人に続いて新一まで去ってしまった事で、志保はイライラの感情に苛まれていた。
(全く、私の周りの男共ってどうしてこう自己中ばっかなのかしら?あのバカ猫はイキナリ大阪まで引っ張って来たかと思いきや勝手にどっか行っちゃうし、工藤君も工藤君でバカ猫と同じ様な行動を取るし。後でお仕置きしなきゃいけないわね。でも工藤君は蘭さんに任せた方が良いかしら?)
こんな遠くまで連れて来られ、そして一人だけ置いてかれるなんてどんな罰ゲームだろうか。
どう仕返しをしようかと頭の中で構想を練っていると、不意に声が掛る。
「次、君の番だよ?」
「え?」
声を掛けて来たのは目的の人物、比護だった。
思案に暮れている間に列は進み、志保の順番が回って来たのだ。
「何か考え事してるみたいだったけど順番来てるよ?…ん?工藤君と三井君は?」
「か、彼等ならどっか行っちゃったわ」
急に順番が回ってきてしまったので志保は心の準備が出来ておらず、比護と目を合わせる事が出来ない。
「あ、そう…。それで、さっき訊きそびれちゃったんだけど名前は?」
「宮野志保」
比護の問いにも淡々と答えるのが精一杯だ。やはり目は逸らしたままで。
「へえ、その宮野さんは俺の大ファンだって話だけど?」
「そ、それは…」
目を逸らされたままでいるのが気になった比護が少しイジワルな問いを投げかけると、たちまち志保はカアアッと真っ赤になってしまう。
その反応を見て、比護は本当にファンでいてくれているんだと察した。
「取りあえずサインをしよう。色紙を貸して貰えるか?」
赤くなったまま何も喋れなくなってしまった志保を気遣って比護が促すと、おずおずと黙ったまま色紙が差し出される。
それを受け取り、比護も黙ったままサラサラとサインペンを走らせていく。
暫く沈黙の時間が続くかと思われたが、意外にもそれを破ったのは志保だった。
「ね、ねえ…」
「ん?」
呼び掛けられた事で比護は手を止め、色紙から志保へと視線を移す。
「握手して貰っても、良いかしら?」
大分心が落ち着いて来たのか、恥ずかしそうに頬は染めつつも志保は比護の目をしっかりと見つめて言葉を放った。
「勿論」
漸く視線を合わせて会話が出来た事で比護は笑みを浮かべ、手を差し出して優しく握手を交わす。
憧れの選手と握手をする事が出来た志保は、わざわざ大阪まで来た甲斐が有ったと嬉しそうに頬を綻ばすのであった。
 
 
 
 
一方その頃、新一はというと。
「こんな所に居たか…」
「あ?」
先に志保の下を離れた隼人と合流を果たしていた。
「オメー、わざと宮野から離れたろ?」
隼人に近づいた新一は、事件を推理している時の様な表情で問いを投げかけた。
新一は隼人の行動が、志保と比護が会話をする為には自分が邪魔だと判断して離れたのではないかと考えているのだ。
また、自分の分のサインを貰うよう頼んだのも志保が逃げ出さない様にする為の鎖ではないかと推理している。
気まぐれで自分勝手な隼人の性格を知っている者ならば、急に抜けても別に不自然に思う事は無い。
実際、あの時の新一自身も気まぐれな行動だと思ったのだから。
「…………。さあな」
だが隼人は新一をチラリと見たかと思いきや、すぐに顔を逸らして曖昧な返事を返すだけだ。
対して新一は構わずに追撃を放つ。
「それに、俺を誘った理由も比護さんと接触しやすくする為だ」
比護が新一をスカウトしたのは事実だ。
だから新一は他のファンやサポーターに比べて比護の目に留まりやすい可能性が有る。
まあ、そうでなくとも名探偵というだけで人々の注目を集めるだろうが。
「良く解ったな?」
完全に図星を突かれた隼人はニヤリと笑みを浮かべて新一を見やった。
流石名探偵だと感心するが、素直に褒めたりはしない。
褒める必要が無いからだ。寧ろ、これぐらいやって貰わなければ面白くない。
「バーロー、探偵舐めんなよ?」
一方、新一も隼人と同じ様にニヤリと笑みを浮かべた。
友人としても探偵としても楽しませてくれる事は純粋に嬉しい。多少、面倒な所が気にはなるが。
何よりも、志保を第一に考えて行動してくれるのが有難かった。
だがそれは隼人も同じ気持ちだ。
この場に新一一人で現われたという事は、つまりそういう事だろう。
志保と比護を会わせるという今回の計画が上手く行った事を喜ぶ二人であったが、その志保が仕返しとして自分の分のサインしか貰ってない等思いもしないのであった。
 
END
 
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